三郷総合病院

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診療科のご案内

リハビリテーション科

リハビリテーションについて

 人口の超高齢化に伴って、骨折・脳卒中などの患者さんは年々増加しておられます。これらに対する治療は劇的に進歩しており、治療後ほどなく病前生活(自宅生活や就労)に戻ることができる方がいらっしゃる一方で、後遺症を残された場合や、長い治療期間・負担の大きな治療を要した方々では、そのままでは病前生活への復帰ができない方々も多くいらっしゃいます。
 このような方々のために、機能能力体力を回復させ、病前生活への橋渡しをするためにリハビリテーション医療があるのです。

 大きな関節(股関節・脊椎など)の骨折や、脳卒中で重度の運動障害を来した場合は、要介護状態となる可能性が高いことが判っており、発症ないし手術後のできるだけ早い時期から充分量の訓練を行うと、要介護状態に陥ることが避けられることも判っています。この目的で国が作った制度が、回復期リハビリテーション病棟という制度です。1日最大3時間の訓練(訓練士と1対1で実施)を、運動器(骨折など)・廃用症候群(肺炎治療後など)で最長90日、脳卒中で最長150日(高次脳機能障害、および失語などでは最長180日)といった期間、毎日受けることが可能です。以前(回復期リハビリテーション病棟制度創設前)のリハビリテーションと言えば、比較的に若い患者様を中心に、1日あたり20-40分の訓練を、週5日程度、年単位で行っていましたので、それと比べるといかに短期集中型となったかがお分かりいただけると思います。年齢での制限は設けられておりませんが、国は「要介護状態を避ける」という実質的な効果を求めており、患者様側に、病気やケガの種類、発症からの期間など細かな条件(表1)を設ける一方で、病院に対しても厳しい基準(人員配置、成績など)を設け、日本の医療制度で初めて成果主義も導入しています。在宅復帰率や実績指数(数字でみる医療の質)といった指標を参考にして、結果を伴った質の高い訓練を行える施設づくりを推奨しているのです。制度創設当初の2000年には、病床・療法士の不足が顕著であり、結果を出すのは一苦労でしたが、十数年を経た今ではリハビリテーション医療は名実ともに「回復」を担う分野になりました。

当院のリハビリテーションの特色

 当院は急性期診療を行う総合病院ですので、治療中の早期にリハビリテーションを開始することで病気や手術での衰えを最小限にする取組み「急性期リハビリテーション」、そして、体力低下や後遺症の改善に対応する取組み「回復期リハビリテーション」の両者の機能を併せ持っております(訪問リハビリテーションも行っております)。回復期リハビリテーション病棟の患者さんは、当院の整形外科・脳神経外科・内科で治療を終えたばかりの方々がほとんどです(院外からの受け入れも行っております)。病棟にはリハビリテーション科専門医を専従配置しておりますが、ことに整形外科・脳神経外科に関しては急性期で診療を担当した医師が、継続的に経過を診ており、治療から後遺症への対応まで、一貫した切れ目のない治療が可能となっております。
 当院では十分な人員配置と高い成果指標を維持しており、回復期リハビリテーション病棟入院料1、体制強化加算1の算定が承認されております。質の高い訓練を、十分な量行い、それに伴った高い効果が得られている証明であります。しかしながら、これに甘んじることなく、更なる質の向上を目指して精進する所存でございます。

スタッフ紹介

 (部長)尾上 久一郎
出身大学 東海大学
卒業年 1986年
資格 日本リハビリテーション医学会リハビリテーション科専門医
日本神経学会神経内科専門医
日本内科学会総合内科専門医
回復期リハビリテーション病棟専従医
専門分野 脳卒中・神経内科疾患のリハビリテーション
整形外科疾患術後のリハビリテーション

回復期リハビリテーションを要する状態及び算定上限日数

疾患発症から入院
までの期間
病棟に入院
できる期間
1 脳血管疾患、脊髄損傷、頭部外傷、くも膜下出血のシャント手術後、脳腫瘍、脳炎、急性脳症、脊髄炎、多発神経炎、多発性硬化症、腕神経叢損傷等の発症 又は手術後、義肢装着訓練を要する状態 2ヶ月以内 150日
高次脳機能障害を伴った重症脳血管障害、重度の頸髄損傷及び頭部外傷を含む多部位外傷 180日
2 大腿骨、骨盤、脊椎、股関節もしくは膝関節の骨折又は二肢以上の多発骨折の発症後又は手術の状態 2ヶ月以内 90日
3 外科手術後又は肺炎等の治療時の安静により廃用症候群を有しており、手術後または発症後の状態 2ヶ月以内 90日
4 大腿骨、骨盤、脊椎、股関節もしくは膝関節の神経、筋又は靭帯損傷後の状態 1ヶ月以内 60日
5 股関節又は膝関節の置換術後の状態 1ヶ月以内 90日
※資料出展:厚生労働省/回復期リハ病棟入院料を算定可能な疾患(2016年改定・別表9)